「初夢」 2005/1/23

私はむかしから夢を意識する。
夢は妄想とか、潜在意識といわれるから、夢をそのまま真に受ける事を単純だと思う人も多い。
誰もが見る夢だが、夢は私にとり啓示的な夢知らせとなることもあれば、ただの幻想の時もある。
でも、わたしは長年の自分の夢との関わりから、この夢は単なる夢・この夢は意味ある夢と
目覚めた時に判断する。
こんなふうに夢にこだわる私が、一年で一番こだわるのが初夢である。

毎年見る初夢は、私にとり一年間の自分の運勢を示していると、信じている。
元旦の夜、家族達にも初夢に向かって意識を鼓舞させて、わたしは布団に入る。
その時の布団に入り込む私と家族の気持ちは、神がかりの啓示を期待して、一年で一番緊張と期待の日となる。
今年の運勢が夢で知らされると信じ期待して、眠る元旦の夜・・・・・。
そして、目覚めるなり、布団の中で家族と初夢を語る。

しかし、今年のわたしの初夢は、かなりお粗末だった。
新年を迎えてわずか2日目の朝に、もう一年間に対して期待が消えた。
こんなに簡単に、初夢によって、わたしの一年への期待があっけなく消える。
占いの仕事をしていて、私が情を感じて親しみを抱いているお客様が、影で私を怒り文句を言っていた、こんな初夢だったのだ。
文句の内容は、私が占いで言うアドバイスが、きつすぎて傷つくと言うのだ。
「なるほどね、之は正夢だな。今年はクレームの多い年ということか・・」と覚悟した。

たしかに、私はとてもはっきりと運勢を言うので、怖いと言われる事がある。
しかし、私は自分が厳しい事を言っている自覚がない。それどころか喜んでもらえることしか言えないとすら思っている。
自己評価は、全く他者評価とは異なる。

私は日頃は、人をどうこう厳しく思う性格ではないと自分では思っているが、占いでは
自己のマイナス部分を訂正する事によって運勢が良くなるので、その人の欠点と思われる事を気づいてもらうようにする。
こんなわたしの占いのやり方が、人によっては自己を否定された事になって、耐え難いと思う人はいる。
大方の人達は、厳しい意見よりも甘い意見、誉め言葉や夢見る未来を言われる事を期待して占いに来ている。
おみくじを引くときだって、大吉を期待する。
占いだって、当然良い未来を聞きたいのだ。

私の友人のご姉妹が、子供の事で相談に来た事があった。
お子さんが学校の勉強についていくのが大変になり、外国の学校に行けば勉強がもっと楽になると期待して、外国の高校に行きたいと親に頼んだ。
その時に占ったのだが、子供は勉強をする為にあちらに行くのではなくて楽して遊ぶ為に行くので、外国の学校に行けば、今以上に授業は付いていけないし、さらにダメな仲間と関わってかえってダメになってしまう。このまま日本の学校にいれば、まだ卒業できるし将来は信用が付くので留学させない方が良い。勉強の嫌いな子で、男好きでおしゃれに興味のある子だから、そちらの方面に進めるようにしたほうがよいと答えると、
そのお客様は、怒り心頭に達した勢いで、「他人の子供をそこまで言うなんて、サービス業の癖に、金を取った上に、さらに客を悪く言うとは、とんでもない奴だ!」と大変な剣幕だった。
結果的には、子供を留学させずに無事日本の大学にも今春合格し、今となっては喜んでいるのだが、また占なって貰いたいと言われたので、話しのとても上手な占い師がいるので、そちらで占ってもらうと良いとオススメした。

さすがに話のうまい占い師は、開口一番こう言った。
「お嬢さんを良くここまで御立派にお育てになりましたね。おかあさまがご立派だからこそこんなに立派に育ったのですよ」
そのお客さんは、その一言で気持ちが緩み、涙をながしたそうだ。

「サービス業なんだから、石井さんも言葉に気をつけなくちゃね。人は自分を鼓舞して厳しくして欲しいなんて思って占いに行く人なんかいないのよ。そもそも占いに来る人は、努力以外の棚ぼたの運命を期待しているのが大方の人なのよ。それを貴女のここを直さないと物事がうまくいかないのよ、なんていわれたら、腹が立つのは当然よ!誉めて持ち上げておだてる!癒しの言葉や当人を認める言葉、未来の幸運を保障する言葉を求めてくるお客さんの気持ちを知らなきゃダメよ。石井さんは、せっかく占いが当たるんだから、これで言葉さえうまければ完璧になるのに・・・」

こんな事も現実に言われ、初夢は自分の話し方が、相手に良く思われていないと云う事を
はっきりと自覚させてくれた。
そうか・・そうか、お客様達が求める、希望に満ちた未来や、棚からぼた餅が落ちる事を期待させて、相談者の性格を尊敬して認めよう、誰もが、私から言われた言葉で心がほぐれて喜んでもらえる、そんな占い師になればいいのだろうか!・・・・。
「初夢の啓示も頂いた事だし、よし!今年は、できるかぎりお客様に、柔らかく接し喜ばれる言葉を言えるようにしよう!」
この姿勢で、初仕事に向かった私だった。

お正月明けの初仕事で、お店の開店一時間も前から、驚くほどのトラブルに見舞われる人が、行列していた。
一人は、借金に追われ仕事も赤字で、マルチ商法でイッパツ逆転を狙った人だった。
どうしたらいいか、今後どうなるか?マルチ商法で大金持ちになれるか?大金持ちになれなくてもマルチ商法で生きていけないと困る、面倒を観なくてはいけない家族がいるのでこのマルチ商法で年間数千万円も稼げる人がいるので、このマルチ商法しかないと信じるお客さんだった。

もう一人は、とても可愛い美人の学生だが、暴力団の男性と肉体関係を持ちその時のみだらな写真を撮られた。お金を何百万と騙し取られたが訴えたら危険だと思うのだが、どうしたらいいか?妊娠しているかエイズになっていないか?

次は、30代のゲイだが、借金をして年利率30%の利息を払っているのだが、家賃は払えないし生活も苦しい。この2月までに自分と一緒に暮してくれて生活の面倒を見てくれる同性愛者の男性が出てこないだろうか?
占なって、でてこないと答えると、その相談者は肩を落として真っ青になり、それでは困るどうしたらいいのか?と泣きそうになった。
本人は働く気力も無く寝てばかりで、体も重く、誰かに頼っていく事が出来れば今の借金苦からも解放されると信じ、そうなる時期を占いで知りたがったのだが、やる気のないくらい態度で、可愛らしさでもあれば金持ちの年配の男性から可愛がられる可能性もあるだろうが、それも見込めないどころか、どんどんと借金が嵩んでいって大変な事になる運勢だった。借金しながら、新宿2丁目のゲイバーに遊びに通っているが、止める事はできないという。
「働かず体も動かしたくなくグータラ生活を送りたい。そんな自分を愛する相手が出てきて生活をすべて助けてくれる、そんな事を期待するあなたを仲間の人達は何ていいますか?」
「がんばってねって、いわれます」
「頑張ってね!なんて、無責任な事を言う人ですね?」
当人は、不可解なまなざしで私を見ていた。言っている意味が理解できないのかもしれない。
こういう人たちと話しながら私はお客様達を、その場限りの期待を与えたり、ほめてみとめてあげれば良いとはどうしても思えなかった。
私のアドバイスが、厳しくて不愉快ならば、お客さんが私を避ければ良いのだ。

運命論者や棚ぼたの幸運がいつあるかと、努力もなく求める人、甘い言葉や誉め言葉を言われて当然だと思える人、自分に自信がありよい事を言われて当然だと思う人は、私の占いには合わない。
前もって、そういう方々には、私の鑑定に来ないようにお願いしたい。
レストランと同じで、好みの物を選べばいい、提供する側の私も、自分の味は自分で決める。私の提供する料理は、辛いし堅いと思って欲しい。
私の占いには、自分を客観視して、運勢を努力でより良くしようと思う人、
人生の悲哀を理解でき、だからこそ努力が必要だと思える人、自分の性格のマイナスを指摘されても、それを冷静に受け止める事の出来る人を鑑定したい。

占いのあり方というものを考えると、運勢に流される為に占なうのではなく、運勢を自力でより良くする為に、自己を知り現状を知り智恵を使い、見えないものに気づく事、未来を良くする為に使ってこそが、占いのあるべき利用の仕方だと私は思っている。
だから、運命論者のように、自分の未来が決められていると思ってなすがままに流れるべきではないと思う。
彼らに、こんな私の考えを話しても、理解してもらえなかった。
「だって自分の運勢は決まったとおりに流れてきたんです。運勢は決まっているんです!経験でそれを実感してきました。」そういわれた。
確かに、運勢が軌道修正が効かずに、占い通りになっていく人もいる。
そういう人は、自分自身を鼓舞する事が苦手であり、運勢の成り行きを手をこまねいて待つだけで、自己の業を打ち破るような頑張るタイプではない。
運勢が占いどおりになる人は、自己のあるがままで生きる人であるが、私の占いは、努力で少しでも運勢を改善させるような根性を引き出していく、つまりどこか不調だったら、その不調のまま生きて、之が運命だと流されて生きるのではなくて、リハビリをして改善策を狙うことが、前向きな生き方だと信じる。

その場限りの慰めや運勢を決め付けた言い方が、運勢を未来まで良くするとは思えないしお客様に気にいられれば良いという商売に徹した占いを私はしたくない。
運勢を良くするには、リハビリと同じで痛みに耐える必要がある。

「余談」

占いをする時は、精神統一をしながら真剣に祈って答えをもとめるために、占なう数が
増えてくると体力が続かなくなり、土曜日だけしか仕事をしないのに、夜仕事が終わる頃には、私は、めまいで酔っ払いのようにふらふらになってしまう。
最近はお客様も増えて休み時間もなく、疲れがぬけないままの状態で翌日から体の熱や頭痛が4-5日取れない。
そんなことから、易日記も更新する力がでなかった。
こんな状態で、日記の量も減る気がしている。

今までは、私の占いの質を御存じない一見のお客様の鑑定をすることもよくあり、お客様の求める味と違う事になると不満を得られる事もあるし、混んでいるので、リピーターのお客様が鑑定できない事態になり、これならば、これからはお客様は、ご紹介のある方とリピーターのお客様だけを鑑定させていただく事に決めたほうが良いと思うようになりました。
そんな事を、お店の方にもお願いして受付で私のお客様を限定するようにと
お願いさせていただきました。

そんなわけで、これからの鑑定は、ご紹介のある方と限らせていただきますので
ご理解の程、よろしくお願いいたします。
また、メール鑑定や電話鑑定も、多忙に付きまして御遠慮させていただいております。