「人の思いが気になる・3」  2005/5/9

「どうしても、気持ちが落ち着かないんですっ!占いに来るのが病みつきになってしまいました」
思いつめる若い女性のお客様だった。
人情に価値を置くこの女性は、ともに働く会社の仲間が好きだった。
また会社の仲間達からも愛されたいと思う気持ちも強かった。
こんな彼女が働いた職場の人間関係は荒れていた。
上司が部下にいやがらせをしたり、グループ同士が敵対したり、影で悪口を言い合うのを聞かされる彼女は、彼女にとって嫌な人がいないために、誰とでも仲よくし、愚痴を聞かされると、問題を解決して仲の良い職場にする事を彼女自身のなすべき生き方だと決めて、知った情報や皆の抱えている愚痴を相手にもわからせて皆が仲良くやるにはどうするべきかを提案したり、相談したりと積極的に行動を起こした。
職場のすさんだ人間関係にたいして、真剣に捕らえる彼女だったが、親しかった仲間たちが彼女を無視しだした。
なぜ無視をするのか?
自分の何がいけないのか?
苦しそうに涙をこぼしながら相談する彼女だったが、会社の人たちの思いが恐怖になり
眠れない日も増えていったそうだ。
結局、仲が悪かった人達はそのまま会社で働き続け、皆を好きだった彼女は、会社にいられなくなり2ヶ月前に退職した。
辞めた後も会社の仲間が気にかかり、会いたいという。
今彼らは、彼女がした行為をどう思っているのか、それが知りたい。

「自分がどんなに正しくても、人にとっての真実は本当の真実とは無関係に、その人だけの心にあるものです。・・・ですから、人の感性はどういう見方で私を見ているのか、それが知りたいんです。人の感性がわかれば、これからどういうことに自分が気をつければ良いか判りますから・・・」
背筋をまっすぐに伸ばして話すお客様の瞳に、傷つきやすさと深刻に考えすぎる
気性が、にじみ出ていた。
こんな彼女のように、自分自身のあり方を他人の視点で見つめようとする人は割と少ない。
人は自分にとって苦手な相手や不愉快な思いを感じる相手に対して、自分のあり方を
冷静に見つめるよりも、相手を批判的に受け止める人のほうが圧倒的に多い。

易の例題として、今回は会社の人達の彼女への思いを占ったものを、
本筮易がどう示したのか、わかりやすく書くことにする。
わたしが、本筮という言葉をネットに出したころ、ネットに本筮という言葉がまったくなかった。
ほんとうの易占いは、本筮方法による占いしか易経に記載されていないにもかかわらず、世間ではこの「本筮」という言葉が知られていなかったのに、今では結構知られてきたようです。
ある有名な占い協会の上層部の偉い方で易占いされる方がいるのですが、私の占いの占術を見たときに「ふっ」と鼻を鳴らし、小ばかになさっていらっしゃるのが判りました。
易をする占い師でも本筮を知らないのですから、世間ではこの本筮という言葉は死語だったのです。
それが最近では、ネットでも本筮という言葉がたくさん増えてきました。
本筮で鑑定しますというのまでネットにあります。
本筮方法で占いをきちんと当てることができるためには、かなりの年月を必要としますし、
独学では無理だと思います。
本筮方法で占なえば、誰にやってもらってもほかの易よりも信憑性の高い占いをやってもらえると思っては甘いと、私はおもいます。
本筮易をご存じない人達に「本筮」の特徴を理解していただくことが、いい加減な本筮と本物の本筮を見極めるのに役立つだろうという思いから、最近の私は易の特徴を以前よりも書くようにしております。

ある人気の占い師の方で、よくあたる易をするという評判の方がいらっしゃいました。
その方がある駅ビルで占いをなさっていたのを見かけまして、さっそく私は試させていただいたのです。
「あなたが嫌いな人が、あなたをどう思っているかわかりますよ」というので占って頂くと、断易を使ってくれました。
「よく思っていません!」この占い師は強気の自信のある目つきをして、きっぱりと
こう答えてくれたのです。

こんな答えだけで評判になり当たると言われて人気なのか?私はかなりの衝撃を受けました。
「どうおもっているか?」と易で占えば、よいか悪いなどという簡単な答えだけでなくて
より詳しく判るのが、本当の易なのです。

本筮易でどう思っているかに関して占った場合、どこまで出せるのか
今回のお客様の例題を使ってお見せしたいと思います。

「会社の人達は自分をどう見ているか?」  質問者25歳・女性

天文  天風妬    之卦  雷沢帰妹    本卦   山風蠱
              主爻  地天泰      主爻   天地否
人文  地天泰
地文  水地比

地文の「水地比」と「地天泰」これは、出会いの最初の頃に持っていた相手の思いでありお互いの状態です。
穏やかで親密的で感じよく接してくれていたから、親しみを感じてもらえ仲良くしたい気持ちになっていたという、とても理想的なよい卦なのです。
自分を信頼してくれていると思っていたから、あちらもこちらを信用して本音を出して話せたのです。(地文と人文までの易からの判断)
天文の卦には過去からの状況が、どう変化したか、易の卦の立ち上がり状況を出してきます。
最初の人間関係の暖かく信頼しあった良い状態が、急にこの女性の気質が女性特有のもつおろかな自己陶酔の人の形に変化していったことが、天文の「天風妬」から判断できます。
結果的に彼女のせいで、職場の人間関係がこねくり回されてしまいひどいことになってしまったと思われているのが、天文から本卦と之卦にでているのです。
本卦の「山風蠱」は、だますとか状況が破壊されてしまった悲惨な酷さです。
本卦の主爻の「天地否」は、地文の「水地比」の親しみを感じさせて信頼できる態度をとっていた相手が、裏では自分を否定していた、つまり相手は彼女の表向きの良さに騙されたと思っているのです。
会社の仲間たちは、この女性をしゃしゃり出たがるおせっかいとか
陰口を言ったり聞いたりするのが好きな根性のさもしい女性だとおもうようになり、
さらに、うわさ話や愚痴を聞かされると、話を自分の中にしまっておけずに、人に伝えてしまいたい、それを品のないいやらしい自分だと気づけないどころか、優越感すら自分に持っている。こんな気質をもった女性だとは知らずに、親しんでくる感じ良さを見て、良い人だと思い込み本心を打ち明けてしまった自分たちは、この女性を信じてしまったことを、所詮だめな女だったのだ、と後悔の念をもっていると、出ているのです。

易の答えは「よく思っていません」と言うだけの良い意味か悪い意味かだけの二者択一の答え方ではなくて、深い心理状態や、両者のかかわり方、お互いの気持ち、お互いの対応、それによって織り成していく感情の変化など、このように細かく出るのです。
上記の内容をお客様に答えますと、「人が自分を信じて話してくれたことを、私だったら知られてもいいと思えることなので、気にせずにしゃべってしまったんです。それが職場の仲間たちにとって迷惑になることを気づけない自分でした。
すべてこれは私が悪かったし、信じて話してくれた相手を裏切ってしまったといわれても当然だと思います。自分が悪くなければ傷もつかないのですが、自分が悪いことをしたと思うのでとても苦しいです・・」と、重く苦しそうな表情で鑑定時間が過ぎてもしばらく動けない様子だった。

このお客様は、年齢的な若さもありますが、気持ちは青春時代のように人に夢を抱いてしまうところがある人なのです。
人生の中で誰もが、多かれ少なかれ、こんな経験をしながら、人は語ると言うことの危険性を痛いほど体験しながら学んでいくのだとおもえます。
この女性もあと2-3回同じ体験を繰り返えせば、人の話を言わず語らず聞き流せるようになっていくのでしょう。
聞いた話を黙っていられない・・自分の行為に自信を持てる・・これって女性の特徴かもしれませんね♪

余談

「今日は母の日」という私に、
「うちはいつも母の日だ」と夫が言い、娘からはこんなことを言われた。
男女平等を女は主張するけど、女ってずるいよね。
女は優遇されすぎている。
専業主婦でもちやほやされて、女性車両や生理休暇まである。
女に生まれたら優遇されて当然だとおもっているのが多い。
女って情けないよ。
これじゃあ、男のほうが不平等だ。
女は甘やかされるから不遜になり偉ぶる奴が多くなるんだ。

ちなみに、我が家では私は優遇されておりません。
母の日も、プレゼントも心の配慮もないいつもどおりの日曜日でした。