「親の切なさ・子のあがき」2003/11/9

親の切なさ・子のあがき

人は、自分が一番大切だが、子供を持つと、自分の事よりも子供を大切に思う人が、女性に俄然多くなる。

こうした女性の気性から、母性愛と言う言葉が生まれたのだろう。

人間だけではない、魚も自分の稚魚を守るのに必死になるし、鳥もヒナを心から守って育てている。

鳥達は、自分がヒナの時にも、また子供を産んでいないときにも、他者に対する犠牲的な愛情など持ったりしない。(・・とおもう。鳥になって生きてみれば、もしかすると犠牲的な鳥がいるのかもしれないが)

私が子供の頃、学校の裏庭に飛べない雀のヒナがいたので,家に持って帰った。えさを与えても口を開けない、このままでは死んでしまうと悩んでいると、親鳥が縁側から家に入ってきて、ヒナに口移しで餌を与えてくれた。

家の中に入ることなど、親雀にとって恐怖だとおもうが、ヒナを追って私の家までついて来たのだ。

ヒナに餌を与えるとすぐに親鳥は飛び出して、また餌を運んできた。

ヒナを思う親雀の愛情は、恐れを耐えることが出来るのだ。

そのため、我が家では、昼間の間は、縁側に雀のヒナを入れた箱を置いて、親鳥に餌を運んでもらった。

数日後、外の雀がイッセイに声を荒げた。

だみ声でぐわっ!がっ!ぐあっ!ぐあっ~、ビビビビビ~~~ッ!と、30~40匹ほどの雀たちが、カナキリ声をだしていた。

異常な声に、急いで庭を見ると、猫がいた。

「わあ~~~~~~っ!」という私の叫び声で、猫は猛烈な速さで走り去った。

木々や塀、小屋の上にいる雀たちが、いっせいに私を凝視した。

雀たちの信頼を得たような、正義の味方の気分に浸りながら、雀の連帯感や社会性を教えられたとおもった。

子育てを放棄する親が最近は目立つようになったが、

自分の子供を心配して胸を痛めている女性を目の当たりにすると、親の切ないほどの子供を想う愛情に胸が熱くなる。

子供に関する相談は多い。

あるお客様は、高校生の娘さんがクラブ活動の仲間から無視されるようになったという。

お客様は、血走った眼差しで歯を食いしばり、私の占う様子を食い入るように見つめていた。

占いで仕事をするまで、私は他人の本音を、自分の身内以外に見ることはなかった。

自分とごく親しい者だけは、かっこ悪い裸の心を見せるが、それ以外の人は、誰もが、ゆとりある、さりげない態度をとりながら生きている。

占いをすると、初対面の人でも心を開放して、あるがままの自分を出す人が多い。

あまりに無防備に、欠点も恥じも、自慢も愚かさも、さらけ出してくると、一心同体になったような共感がある。

それを観させていただくたびに、普通の人達は、本音を出せないで、気張って生きているのだなと思う。

つまり、本音を出せないほど、人の心は油断できないと言う事なのだろう。

この母親は、元気をなくしているお子さんが、自殺してしまうのではないかと怯えていた。

お子さんが無視される原因などを占うと、後輩に優しい娘さんで、後輩の人気者になっていた。それを「ぶりっこ」だと、うとまれ、同学年の仲間達にとり後輩への扱いがやりづらくなり、この娘さんの勝手な振る舞いが周りに迷惑をかけていることを考えるべきだといって怒りをかっていると示された。

そう答えると、確かに娘さんは、後輩の人気者で、それが嬉しくて家でも自分が人気者だと言うことを、はしゃいで話していたと言う。

自分が人気になれば、仲間達の気持ちが、面白くないことを理解してあげるべきなのだろう。

それが、回りに対して配慮が足りないと、厳しい見方をすれば言えるという占いの答えだった。

甘やかす一人の存在で、他の仲間達の立場が、後輩に対してやりづらくなっていることを、本人に理解させる必要があることも話した。

之くらいのことなど、大きなトラブルとは思われないかもしれないが、当人にとっては、先の見えない恐怖であるし、女と言うものは、とっても厳しいものである。(女に限ったことではないが)

目立ったり、いい思いをしている人に対して、穏やかな気持ちで受け入れることが出来る人は少ないのだから、そう言う人の感覚を知らないままで社会に入ったら、いつでも人間関係で苦労して生きづらくなってしまうのだと話した。

母親は、戦闘的な険しさを表情にたたえながら、悔しそうにうなずいていた。

既によそのお母様たちに連絡を取って、娘さんの状況を話していると言う。

よその母親達の名前がわからないので、○○チャンのお母さんという呼び方で、一人一人を信頼できるかどうか親の立場から子供達の親に相談を持ちかけることで、娘さんにとって不利にならないか等も占いにかけた。

それぞれの親の性格や気持ちが占いに良く出ていると感心して頂いたが、

「女の根性の小ささは、充分わかっています。やっぱり女は怖いですね。自分の事だったら耐えられるんです。自分も学生の頃生意気だって言っていじめられたり無視されましたから。でも自分の子供がそうされるのはほんとに耐えられないですね。子供の為ならば私はどんなことでもして子供を守ります。子供にも無理をしないでいいよって言ってあります」《転校をさせるという気持ちの意味》

親心の必死な眼差しと気持ちを、よその親には見せることは出来ないものだが、こうやって相談される度に親心の必死さを目の当たりにし、親の本音は誰もが同じなのだと思う。(結果:本人の努力があっても、3ヶ月ほど陰湿な対応は続いたがその後無視される事は解決したようだ)

もう一人の母親で、とても上品な言葉遣いをなさる裕福な家庭の奥さんがいらっしゃった。

娘さんが勉強をせずに学校の授業についていけなくなったという。

さらに、子供の性格はしたたかで金遣いも荒く派手好きで、平気で嘘も尽くし人を陥れる子供だと言う。

小学校の頃から名門のエスカレーター式の学校に入れたがこのままでは進級も無理なので外国の学校に行かせることを占ったが、この方の澄んできれいな瞳が充血しあふれるばかりに涙が溜まっていった。

子供の将来を心配している親心や、思い通りにならない事の多さに、なんとも言えない悲しみを覚えた。

メロンが大好きな、わたしの友人がいた。

癌で亡くなる寸前に、お見舞いで貰ったメロンを友人は病室で子供に食べさせていた。

メロンを食べる息子を観ながら友人の瞳は嬉しそうだった。

自分は食べずに、子供が食べるのが嬉しい親だったのだ。

その翌日友人は子供を置いて逝ってしまったが、子供のために死ねないと言っていたために、医者がいう寿命よりも半年も余分に生きた。

私の母も若くして癌で亡くなったが、自分の事より子供《私》のことが心配だといいながら逝ってしまった。

この世に未練があると成仏できないというが、母は成仏するよりも娘の幸福のほうが大切だといって、死んでも天国には行かないで私のそばに居ると言っていた。

その言葉どおり、母は死んだあとも何ども幽霊になって姿を現した。

そして色々なアドバイスをしてくれた。

私の交際する男性が母の好みにあわないと別れなさいと怒りに来た。

母は神様ではないから親の感情的な意見だと思い言うことを聞かずにいると、しつこく登場してきて、「何度言ったらわかるのか!」とうるさく反対した。

眠っている時には、今日は雨が降るから傘を持っていきなさいと夢に出てきて言う。

母の夢知らせはきめ細かく日常生活にわたるほど頻繁だったし、よく当たっていた。

親子の縁はどんな縁で結びつくのか、まったくの他人であったものが自分のお腹から生まれてきたというだけで大切に思えるのだろうか・・・。

憎しみあう他人同士も親子の縁で結ばれれば、愛情が芽生えるのかもしれない。少なくとも若干の寛大さをもてるのではないだろうか・・・。

もちろん、肉親の憎しみもあるが肉親は無意識に身内を抑圧してしまう事はあっても、あえて子供の不幸は願わないのではないだろうか・・・。

私は自分の父親と、30年間絶縁状態だった。

気ままな父で、妻子を捨てて家を出て行った。

父のお葬式が30年ぶりの再会だった。

父が親しくしていた女性から父が私について語っていたことを色々と聞かせてもらえた。

「娘は自分を嫌がっているから姿を見られないように変装して娘が働いている占いの店に行ってみたい」と私が原宿で占い師になっているという話を聞いたときに、そう言って

父のガールフレンドと二人で占いに来たがっていたと言う。

「娘は親に似ず根性がある。何かやると子供の時から意外な力をみせる娘だった、占いをするなら感心する占いをするだろう。死ぬまでに一度占ってもらいに行きたい」と言って、何度も原宿まで行きたがっていたと聞き、私を過大評価している父の台詞に親心を感じ、長年の父へのわだかまりが、もうどうでもいい気持ちになり涙が止まらなかった。

自己中な父であり筆舌に尽くしがたい悲しさを私に与えてくれたが、私の幸福を喜び、過大に評価していたのはやはり肉親ならではのものだと思う。

人生や人の心が不本意な事を「そんなもの」だと思えればあきらめもつきやすい。

自分の人生も自分の親も、もっと良いものであるべきだと思うから満たされない不幸な気持ちになるのだろう。

(努力を放棄した考えではない。最善の努力の上で出てくる結果は自然な事だと言いたい)

子供のことで苦労する人

親のことで苦労する人

不甲斐ない子供がいるように、不甲斐ない親がいる

弱い子供がいるように、弱い親がいる

だめな親を持ったら、だめな子供を持ったと思えばいいかもしれない

だめな子供を持ったら、人間は、だめな物なんだって気づけばいい

だって、親とか子供という枠をとって考えれば、すべての人間は誰もが皆欠点だらけなのだから・・・・。

望みどおりの親とか子供は、宝くじに当たる程度の確率かもしれない・・・