「昨日は占いの仕事に苦戦した。」2003/12/07

初めて来てくださったお客様から仕事の運勢を尋ねられた。

占うと、わたしの答えがお客様の実際の状況と全く正反対だから納得できないと言われた。

私の占いが間違っているならばこれ以上の事を言えないから他に回ってくださいと言って金額を返金すると言うと、其のお客様は
「あなたの占いは統計学ではないですよね。統計学はあくまで統計だから絶対ではない。でも、あなたの占いは統計学ではないから、統計学よりも絶対に近いですよね?」と奇妙な論理を言われた。

「私自身は自分の占いを統計学よりも信じてはいるけれども、お客様から観れば答えが全く外れている事になるのですよね?」

男性は不満な態度を示しながらガムをくちゃくちゃと噛み、威圧的にしばらく無言で座っていた。

納得できなければやめてもらおうと思い、私も相手の気持ちに任せるしかないと無言でいた。

狭いブースの中で二人が向かい合い、約2分ほどだが沈黙が続くのは重苦しかった。

「僕が占いが外れていると言ってるんだから、違った角度から僕の運勢を読んでください」とお客様は重い調子でやっとこ口を開いた。

私はなんと言って良いのか困ってしまった。占った答えを見ても私にはどう考えても違う読み方が出来ない、このお客様が言いがかりをつけているとしか思えなかったからだ。

「あぁ~、難しい・・・。あなたを納得させる占いをする事が私には出来ないです。」

怒って席を立つかと待っていたのだが、静かに座っている男性だった。

「当たっていないならば、申し訳ないです。でも違った角度からの判断ができないです。之では納得行かないんですよね?」

こんなやり取りをしていたのだが、お客様は最後は急に態度を緩和して笑顔になってご自身の状況を説明してくださり、私の答えている内容は自分が気付かなかった部分だと思うと言われ、別人のように礼儀正しい人になってお辞儀をして「ありがとうございました、また来ます」と帰られた。

占った内容に対して当たっていないと否定しつづける事によって、占い師がどういう反応を示してくるのか確かめたかった人なのかもしれない。

恋愛運を知りたがる女性のお客様達も、交際している人がいても誰も付き合っていませんが恋愛の運勢を見てくださいとおっしゃる方は多い。

仕事の運勢がよいと言われながら占うと、実際は仕事の状況が酷く悪く出たりする人も多い。

つまり、占いの能力を確かめるためにお客様たちも智恵を使って来るのだろう。

大概のお客様たちは皆さんの教えてくださる内容に嘘がある事を見抜くと喜んで下さるが、今日のお客様は、なかなかしぶとくて最後の残り時間5分まで、当たっていないと主張し続けられた。

なんだか出会う人達といつでも、知能ゲームをしているようなそんな気持ちである。

ご贔屓(ひいき)のお客様になってくると、最初の頃のようにあえて嘘を言って様子を探る事はしなくなってくる。

裸の心のままで飛び込んでくださる人間関係は、すがすがしいほど気持ちが良い。