占いのお客様が途切れた頃を見計らい、お昼を買いに原宿の竹下通りを歩きました。
竹下通りは、いつでも凄い人ごみで、まるで混みあった駅のラッシュ時の状態です。
原宿駅から占いのお店までの距離は2分で着くほど近いにもかかわらず、日中は人ごみで多勢混み合っている為に、駅から2分の距離でも、お店まで10分近くかかる覚悟をしないといけません。
この日も、人が多くてなかなか前に進む事が出来ない状態でした。
が、突然、人の波が私の前から、サーッと減り、向こうから来る人達が端により道が開いたのです。
まるで救急車が通る時のように、人が端によって歩きやすくしてくれる気配に
一体何があったのだろう?と不思議に思い、私は自分自身の姿に異常がないかを確認し、さらに周囲を見回しました。
そして、私のすぐ後ろにいた男性の存在を知るや否や緊張感が走ったのです。
その男性の風貌は、恐ろしい形相で瞳が血走り白目が見える三白眼という
怖い目つきで、ほお骨が横に三角に飛び出て、口も大きくゆがんでいる人でした。
右手を懐に入れて歩く姿は、絶対にナイフを隠し持っているようなそんな気配がありました。
肩でも触れたら、怒り狂って何をされるかわからないと言うような、殺人映画に出てくるような凶暴なスゴミがあったのです。
私も道の端に移動して、その男性を先に行かせる事にしました。
こんな怖い顔をした人は見たことがないと思いながら、買い物を済ませて仕事場に戻りました。
自分の個室に戻って、買ってきたお昼を食べようと思っていたら、受付の女性が私の個室に勢いよく入ってきて耳元で、こう、ささやいたのです。
『石井さん!私が傍にいますから、何かあればすぐ飛び込むから心配しないで鑑定をしてください。あなたにしかできないお客様だと思ったから、あなたに連れてきました・・・』と、この占い館の親族である受付の女性が真剣なまなざしで言うのです。
一体どんなお客サマなのかしらと思っていると、レースのカーテンを無骨に開けて、真っ赤に充血した瞳をギラギラさせた男性が入ってきたのです。
その方は先ほどの、竹下通りを歩いていた男性だったのです。
之は、占って言いがかりをつけられる覚悟しないといけないと思いました。
私は人の手を握る事で手から感じる相手の気で、その人の性質が少しわかるので、
「こんにちは」と言って、右手を差し出し握手を求めました。
お客様は、怒ったような形相でカッと目を見開き、私の右手を睨むようにして憮然と立ち尽くしていました。
『握手でも運勢などを読めますので、よろしければ先に握手していただけますか?』と遠慮気味に言いますと、お客様は黙ったまま私の右手をそっと握り返してくれました。
意外な事に、お客様の手は、根性も夢もない驚くほど気の弱い、とてもデリケートな心の手だったのです。
『こんな優しい手の人に会ったのは初めてです。ずいぶん悲しい気持ちで生きてきたのですね?いつも死にたいと思って生きて来たんじゃないですか?あなたほど、人に対して気遣いをする人はなかなかいませんよ』と言いますと、
その男性は、怖い顔をますますぐしゃぐしゃに崩して大粒の涙を流しながら、泣きだしたのです。
そして、こうお客様はおっしゃいました。
「僕は、もう何年も人と喋っていません。」
「親も死んでしまいましたし、子供の頃からバカだと言われていじめられてきました。」
「僕の夢は結婚して自分の子供と遊ぶ事でしたが、もう結婚はあきらめました。でも今の僕は、喋る事の出来る友達を持てる事が夢なんです。」
「今の僕は自殺を考えるほど、生きている事が耐えられないのです。」
「新幹線に乗って東京にきて、こうやって占い師さんと話す事しか、僕にとっての会話が出来る相手がないのです。話す事ができるならば、新幹線に乗ってでも、どこへでも行きます」
『どうしたら話し相手とか友達が出来るか知りたいのです』
話し相手が誰もいないという孤独の苦しさが彼の悩みだったのです。
お客様と友達になってくれそうな人が出てきたら電話をする約束して電話番号をおしえてもらいました。メールくらいならばメルトモになれると思って言ってみましたが、メールは出来ないそうです。
この人が整形して怖い風貌をとれば、かなり運勢も変わるだろうと思いました。
ほお骨が角のように顔の外側に飛び出ているのを削るだけでも、見た目が変わるとおもったのですが、本人が自分の顔に関して何も言いませんでしたので、こちらから『整形した方が良い』とは言えませんでした。
上目遣いで、三白眼の人相になっているのが怖さを強調しているので、人を見るときの目つきが怖いと損だという事を指摘して、人を見る時には上目遣いをやめて、まっすぐに見るようにと言って目つきを練習してもらいました。もちろん占いもしました。
その以降、そのお客様は、私のひいきのお客様になってくださり、相変わらず遠くから
新幹線で土曜日にわずかな時間ですが、話に来てくださるのです。
不思議な事に、この怖い顔のお客様の人相が最近すっかり変わたのです。
整形でほお骨を削るべきだと思うほどの飛び出たほお骨すらも、顔がふっくらと太ったために目立たなくなり、目つきも普通になり、三白眼でもなくなったのです。
唇のゆがみまでなくなり、食いしん坊のハムスターのような可愛い表情になったのです。
職場の人とも少しだけですが、会話を持てるようになった事も、ささやかながらですが
心の安定になっているのです。
怖い顔をしているから、人が近づきにくかった事もありましたが
今では怖い顔をしていませんが、まだ話し相手も友人も出来ないそうです。
このお客様の事を、当時、易日記に書いたら、その人を知る人が彼だとわかってしまうと思ったために書けないでおりましたが、以前の風貌がすっかりなくなりましたので、安心して書きました。
男性のお客様達に、この人と友達になって欲しいと声をかけておりましたが、首を縦に振る人はなかなか出ませんでした。
お客様で俳優志願の美青年がいまして、彼はベッカムを、さらに品よくきれいにした容姿で、この美青年が、このお客様の友達になってくれる事になりました。
先週はこの俳優志願君がひどい風邪にかかり会えませんで、その前の週には
このお客様が遊びに来るのを部屋を片付けて待っていてくれまして、本好きな彼は、本をきちんと並べて几帳面で賢い自分を演出したと言っていましたので、賢さは隠してほしいと頼みました。
お客様の趣味は、水に足を入れてパシャパシャと遊ぶことで、会話も読書も苦手なのです。
この俳優志願君は、どんな人とも友達になれるという天使のような男性なのです。
占いの仕事が終わり、わたしが占いの小部屋の片づけをしている時に、その彼が小部屋の丸窓からニコニコして覗いていた事がありました。
そのにこやかな笑顔を見たときに、天国から天使が迎えに来たのかなって思うほどでした。
天使の瞳の美青年と、50過ぎの孤独なお客様の友情が今後どうなるか
展開がありましたら書きたいと思います。
顔は心を表すといいますが、100%の断言はできないのかもしれませんね・・・・気持ちがすさみますと、悪くない人でも穏やかな人相には成れないのですね。
整形をしなくても、心が変われば、人相もかなり変わるという事を、ものすご~く実感中の私です。
次回の予定は、
戦争について易はどうコメントするかの占例を載せようと思います。
昨日は海上自衛隊の人でイラクに派遣されたいが、してもらえるかという質問の方がいらっしゃいました。陸上自衛隊ですと危険性が強いのですが、海自ですと命の方は心配が無いということでした。
占いの仕事をしていますと、社会情勢をそのまま受けます。