「占い苦労話 ・その1」  2004年5/16

私が、占い師の体験談を読むとしたら、当たって凄かった話よりも、外して恥をかいた話とか、困惑した話を読みたいと思うのだが、もしかすると皆さんも同じだろうか?

当たった話、凄かった話などは、眉つばっぽく、どこまで本当かと疑われるだけで、書く意味がない気がする。
馴染みのお客様たちが、占いで驚くような事を経験すると、それを易日記に出したら宣伝になりますよと、アドバイスも頂くのだが、あまりに出来すぎる話は嘘に思えて、かえって信用を失いそうで書く気になれない。
信じない人の事は気にしないでいいんだと、こんなわたしの引っ込み事案さが、いつまでも片隅の占い師止まりにさせているのだと、叱咤してくれる人もいれば、混んで待たされたくないので、目立たないでいて欲しいというお客様もいる。

今回は、「こんなおぞましい奴に占ってもらうなんて冗談じゃないっ!」
と、怒りで真っ青になってしまった女性のお客様がいたので、
私のイメージダウンを覚悟して書く事にする。

最初にお客様の生年月日をみて、星占いで全体的な運勢を告げるはずだったのだが、お客様の星座の名前が、私の口から出てこないのだった。

わたしは自分の度忘れを恥らう事なく「あらら、、、あなたの星座の名前がなんだったのか忘れてしまったわ。ご自分の星座ですから、分かってますよね? これって何座でしたっけ?」と質問した。
この最初の時点で、お客様が憮然とし、無言で何も答えず、許し難いといった冷めた瞳をして顔をそむけた。
「ああ、すいませんね。私ってボケが酷いもんで・・・」と言ったが、許そうとしていないお客様だった。
「かなり怒っていますね?之は当たりでしょ?」と喉まで出てきた台詞を口に出したかったが、お客様は大きなため息を吐き耐え難い様子だったので、言わずに飲み込んだ。

確かにお金を払って基本の星座の名前も知らない占い師では、腹が立つのも当然だろうなと、私も思った。そもそも私の第一印象は、ほとんどのお客様たちから
この人の占い本当に大丈夫かしら?と心配になると言われる。
95%のお客様はわたしの不安定な態度を寛大に受け入れてくださるのだが、今回は久しぶりに思い通りにはならなかった。
「星座の名前は誰もが知っているけれど、運勢を当てれば問題は無いでしょ?」
などと軽口をたたいて、星座で運勢を読んで見せると、お客様は一言
「全く当たっていません!!」と切り口上で断言した。
『あら、まっ!そんなに外れてしまったんですか?そうですか・・・西洋占星術は統計学ですから絶対だとは言えないですものね。でも、お祈りして答えを頂く方法で占えば、統計学ではないですから、こちらは外しませんからね』

易では外さない自信を持っている私なのだが、お客様の恋愛の運勢を観ると、気に入っている人がいるのだが、その人とは縁が無いと出ていた。そう言うと、お客様は不愉快そうな瞳のまま黙っていた。
恋愛の運勢には、なかなか恵まれない性質を持っている人だと易の答えには出ていた、この女性は可愛らしさとか女性らしさが足りなくて、人の言葉を否定的にとらえる性格が恋愛相手としてみてもらえないので、冷たい人だと言う印象をもたれてしまう事が恋愛運が恵まれない事になるので、言いづらい言葉だとは思ったが、もう少し相手に同調してやわらかい言葉使いの出来る人になれば、仕事の出来る人なので、本人の仕事の力に魅力を覚える人が彼女を気に入ってくれるが、思った事を言いすぎる性格を直さないと、充実した望ましい恋愛は難しいと答えた。
しかし、お客様は、憮然とした表情と厳しい口調で言い切るようにこう言った。
「全く当たっていません!私は人に対して穏やかな態度しかとれませんし、感じ良くお付き合い出来ないと断っています!」
私   「断る時の話し方を言っているのではなくて、あなたの普通の会話が厳しい印象を人に与えると言っているんです。
感じよく話していると思っているのは自分だけで、第三者はあなたの普通の日頃の話し方を見て、反論的だって思っているところがあると出ているんですよ。
運勢はね、性格が作り上げるものなので、あなたの対応が恋愛運の足を引っ張ってしまってうまくないんですよ」

お客様   「もう時間が無くなりますから恋愛運をこれ以上聞いても意味がないですからイイです、次は仕事の運勢を占って下さい」

仕事の運勢は、本人はかなりの才覚を持って責任ある仕事をしているし、仕事の出来る人で、一生食べていく事には困らないほどの実力があり、同じ資格を持つ他の人よりも優れたアイデアを持っているとでていた。
しかし、そのわりには仕事が責任ばかりで、やって当たり前であり、今後も忙しいばかりで楽しくないし、自分ひとりで考えなくてはいけない事の負担が多くて、長く今の職場で働く気持ちになりがたいと答えた。

「全くそんなことは無いです!全部外れています!とっても恵まれて何も問題の無い仕事で楽しいですし、辞めるつもりも無いです!」

私   「わ~~~~~、全部外れたんですか!!之は凄い!外れているならば申し訳ないですから、お金お返ししますよ」

「お金はもういいですから、転職する運勢を観てください」と、お客様ひややかに言われた。

「とっても恵まれて問題の無い職場ならば、転職する運勢なんて占っても意味がないんじゃないですか?それに全部外れた占いでは、次の答えも信用できなくないですか?」

お客様   「どんなに恵まれていたって、どんな仕事もなにも問題がないと言う事はありえないです。
転職するつもりは全く無いですけど、一様占いにどう出るか聞くだけです。
こんな事を聞くつもりは無かったんです。今いきなり出てきた質問です。転職するなんて考えもしませんでしたから、占いは信じませんけど!」

30分の鑑定時間は過ぎていたのだが、全部外れていると言うので、お詫びとして延長料金は頂かない事にして、最後の質問を占った。

転職の運勢は、今までも転職経験があり、持っている資格の強さから、
必ず採用してもらえる人で、転職は有利だと出ていた。
ご本人は、同じ資格を所有している人よりも実力が認められているし、それだけ才覚のある人で、斬新な物を作り出している事から、就職活動をすれば今までの経歴からも実力を認められてすぐに採用されるし、今の職場よりも転職する方が人間関係もよくなると言う答えだった。
この事も、当たっているとは言って頂けなかったが外れているとも言われなかった。
今までも就職希望をすれば必ず採用される自分だったし、いろんなアイデアが採用されて認められてきたと、教えてくださった。
本人は転職する事など考えた事も無かったが、職場では責任者となっていると言い、自分しか考える事の出来る人間はいないのだが、今回占ったぐらいでまさか転職を考えるとは思ってもいなかったが、転職も考えてみようかと思うようになったと話された。

最後まで冷ややかな態度の無愛想な人だったが、どんな仕事なのか参考までに教えていただいた。

なるほどと思わせるような、採用される価値のある資格を持っている人だった。
そうなると、西洋占星術のときに、奉仕関係の職場で有利な資格を持って働く人で
一生涯食べる事には困らないと言う事を言ったのだが、このことは当たっていた事になった。
人の言葉を否定的にとらえる性格が恋愛相手としてみてもらえないと言った事も、当たっていたように思えたのだが、
本人が自覚してくれない限り、当たったとは言えないというのが、占いなのだ。
そもそも自分の人格を否定されて嬉しい気持ちになれるわけがないのだが、
自分を自覚できない限り、運勢は好転しない。
お客様が満足できずに不愉快になるような話し方しか出来ない自分に力不足を覚える。
「占い師になるための本」を私のために持ってきてくれたお客様がいた。
読んで勉強します。

「余談」

私は軽い脳梗塞を起こした為に、疲れが酷くなると、舌がもつれてロレツが回らなくなってしまう。
血管を広げるクスリを飲んでいるが、息が止まるような激痛が耳下腺の傍を走る。
体も異様に疲れやすくなり、昨日はお客様が多く体力が続きそうも無くて、占い師として
やっていく自信が無くなってしまった。
脳の萎縮も顕著で、アルツハイマーになる可能性が濃いらしい。
いつまで覚えていられるかと、最近は記憶に関して神経質になっている。

メカブを食べると血液の流れが良くなると聞き、今はメカブ三昧である。
メカブが効いているのか、子供は最近記憶力と集中力が上がっているという。
私も、自分が何か覚えているたびに感激して、手を叩いて喜んでいる。
アルツハイマーになる確率が高いなどと病院で言われてショックを起こしていたのだが
私の師匠が老人ホームに入ってから、脳がしっかりして来たのである。
つまり、家庭で好きなものを食べていたのだが、老人ホームで栄養が管理されてからは
以前よりも記憶が良くなってきたと言われた。
88歳でも脳が回復できるならば、私はまだ回復する確率が高いはずである。

今回は「占い苦労話・その1」と数字を付けたので
わたしの失敗や恥をかいた体験占いを、また書くつもりでいる。
失敗の体験には不自由しないだろうから、いくつの数字まで行けるだろうかと、
自分をいたぶりたがっている、もう一人の自分が心の中でほくそえんでいる。

自分の失敗に気付かなくなった頃、この易日記に、大きな自慢話を書くのかもしれない・・・。