「ある占い師の今後の運勢」 2004年6月13日

「ある占い師の今後の運勢」 

「噂を聞いて来ました」と、男性のお客様がいらっしゃいました。
「仕事は占い師です」とおっしゃり、今後の仕事運を鑑定しました。

天文  山雷頤  之卦  風山漸    本卦  天山遯  
           主爻  天山遯    主爻  雷山小過

人文  天山遯

地文  沢風大過

天地  山風蠱

仕事の運勢は、情けないほど悪く出ている。

お客様も占い師で易も読めるとなれば、運勢の悪さをオブラートで包むようにしても意味がない。
どう言うべきかとしばらく躊躇していると、むこうから、「天山遯じゃあ~ダメですよね?」と自分から易の卦を判断してくださった。

ご本人自らが、悪さを達観している様子に、こちらも、ほっとして話しやすくなった。
『ええ、「天山遯」では、お客様に来てもらえないですよね。また、せっかく来てくださっても、あなたの占いは、相談者に対して悪いことをはっきりと言い過ぎているのです。
不安な気持ちで来ている人に、運勢が悪いと言うことだけで鑑定が終わってしまうので、
お客様は不満を感じて、二度と来ないと思われています』

「そうなのです。リピーターになってくれるお客様はいません。自分が何を言えば、お客様が納得してくれるのか、それがわからないのです」

『あなたのお客様は自意識が高く、人の言葉を素直に納得するようなお客様ではないのです。そういうお客様があなたには来るようになっていると、占いの卦には出ているのです。なぜ、そういうお客様が来るのか判りますか?
自意識の強いタイプは自分を認めて理解してくれるような言葉を求めています。そして彼らが持っている自信を力づけ鼓舞される事を求めて、強い男性的な風貌を持つあなたなら、力強い言葉を言ってくれるだろうと期待し、あなたを占い師として選んでいるのです。

ところが、鑑定するあなたは、たくましい男性性を持って相手の良さを認めるのではなく、不安げで、不器用な裏表のない正直な態度で接していますので、お客様が満足しないで引いてしまっているのです。

自意識の強いお客様に対しては、お客様自身が自覚している当人の才覚や長所を言い当ててあげる事が先決です。最初に、自分の性格などが良く言い当てていると思われれば、お客様の心が開いてくるものですから、そこから、その人の持っている良さを武器にして運勢を向上するようにアドバイスするのです。

自意識の強いお客様は、性格的に他人に対する配慮が足りませんから、人間関係が円満ではないのは当然です。彼らは他者に対しての不快感を持っていますが、自分の悪さを当ててもらっても納得しません。当人の周りの悪さを当ててもらい、お客様自身に関しては、彼らの良さを引き出して上げて、自信を付け、自分の長所を武器にして運勢を良く出来るようにアドバイスできれば良いのです』

「あぁ~~~自分のお客さんは、本当に自信を持っている人ばかりなんです」

「あなたの占いの話し方は、山雷頤と沢風大過の卦が示しますが、自分自身も不安な為に、自信を持って答える事が出来ていませんし、お客様に対しても上辺だけで、相手の心の深くまでに入り込めていないのです。わたし自身もこんなふうに人には簡単に言えますが、本当に難しくて、むっとして不快感を露骨に表すお客様もいまして、本当に、誰にでも
納得していただけるような話をする事って難しいですよね・・・」

同業の方にずけずけと言って申しわけない気持ちだったが、その方はとても穏やかな優しい方で、素直に受け止めてくださった。

この運勢では、数年は占いの仕事で稼ぐ事は無理だとおもったが、本人は占いが好きで他の仕事は考えたくないとおっしゃっる。
しかし、仕事の運勢で『天山遯』では、目先としては、この仕事を辞める方向に向かっている。
占いの仕事以外は絶対にしたくないとおっしゃるので、この台詞は言わなかったが、
5-6年以降から占いの力がつくが、それまでは充電期間中なのである。
今頃どうなさっているだろうか・・・と気にかかる。

私は、長い年月お会いしていないお客様の事も、どうしておられるかと良く考える。
私の事を忘れて元気に日々を過ごしておられる人も多いと思うが、本音でお話をして下さったお客様の事は、肉親のような身近な存在に感じてしまう。
初対面のお客様からでも心の内面をさらけ出されると、過去に罪を犯していても、現在恐喝をしていても、その相手の心が自分の心の中にすっぽりと入り込んで、同じ魂の共有者と言った気分になる。

一般的な第三者が、悪い事をしていれば嫌な気持ちになるのだが、相談者から悪い事を告白されると、自分がやった過ちのようなそんな感じで、私自身が共犯者になった気がして、心が虚しさで重くなる。
そういうお客様が、鑑定が終わる頃『神様ってあるんだな~。悪い事ってできねえもんだな~』とつぶやく事がある。
そんな台詞に、私の心も和み、嬉しくなる。
「もう、悪い事をしないで生きていくつもりになったのですか」と質問すると
「罰は当たりたくないもんな」と飾り気の無い表情で答えてくれた。
動物の中で、罰を意識するのは人間だけだろうと思う。
之が人間の救いかもしれない。
前科三犯で、サラ金の取立てで殺人未遂で捕まった事があるという24歳の暴力団員だったが、占いを通して神様の存在を信じたと言ってくれた。
今頃どうしているだろうか・・・・・。
ジャニーズのV6の岡田君に似たハンサムな青年だった。
暴力団を辞めてどんな仕事が適職かと占ったが、水商売の卦がでていた。
「やっぱり、ホストに戻るのか・・・」と、ため息をつきながら、「女は面倒なんだよな、最近の女は暴力団でも前科三犯でも気にしないんだよ、イイんだか、悪いんだか・・・」
悪さをかっこつけて見せる若者が、今時の女性達の感性をニヒルに観ているのも
おもしろかった。

余談

先週は丸々一週間、1日平均3-4時間睡眠で、神経も体もやられるほどの忙しさだった。
易日記に曽我ひとみさんの御主人・ジェンキンスさんについて占って書きたいと思っていたが原稿書きに追いまくられる羽目になり、占えずじまいで、家事労働も何も出来ずに
ただひたすら原稿書きをしていた。
女の子向けの雑誌の占い特集なのだが、書く内容が多く、さし迫った締め切り日を言われて、気楽に受けたところが、やってみると大変な事になった。
わたしの体が、仕事を露骨に拒絶して、寒気と胃痛で吐き気がしてパソコンを床に置いて、毛布に包まりながら横になって打った。
うまく出来ないストレスにさらされ、思った以上に時間がかかり、自分の甘さを思い知らされた。
人気作家が締め切りに追われてホテルに篭る話を楽しそうだと思っていた私は、こんな短い期間の原稿書きを経験しただけで、人気作家への夢は消えた。

嫌いだった掃除や台所の仕事が、突如、わたしの気晴らしに変わった。
食器を洗う手に冷たい水が心地よい。
なんと、食器を洗うことは気持ちよく気楽な事なのだろうとおもう。

顔の6つの各パーツから、恋愛・結婚・友情・Hのそれぞれのベストとワーストの相性を割り出していくのが面倒で、
疲れた寝不足の頭では、ボケた脳が更に朦朧として、我ながら、自分の思考も判断も
信じられなくなった。
しかし、時間単位で原稿の催促が入り、学校から帰宅した16歳の娘に原稿の確認や見直しを頼むと、日頃勉強嫌いな娘が、「之をやっていると嫌いな勉強を凄くやりたくなった!」といって、子供部屋に逃げて行った。

「そうなんだよね。こういう事をしていると本当に、お母さんも嫌いな掃除がしたくなるのよ。」
現状から逃げたがる気性が、子供にちゃんと遺伝していた。

エッチの相性の理由づけに関して書くのは、経験不足でもあり苦手な部分で、どう書いてよいのか判らなかった。
書く数が、エッチだけで48通りもあり、頭に台詞が浮かばないまま時間だけが過ぎ、締め切りが不安で胃痛になり、頭痛と体の凝りで血液がめぐらず、何度もお風呂に入ったりドリンク剤を飲んだ。
エッチ好きの知人に連絡をして台詞のアドバイスを頼もうかと思うほどだった。
≪締切時間が3時間前のとき、タイミングよく電話が入り、台詞に協力してもらう事が出来たときは、涙がでるほど嬉しかった≫

耳の形でのエッチの相性など本を見てもわからなくて易で占った。
不思議と耳でもHの事が分かるらしく、それらしい答えが出てくれた。
事実は体験しない限りわからないが・・・・。

このコラムを読んだ人は、この占い師、かなりの好き物だって思うかもしれない。
20代の頃の私は、職場でエッチな雑誌を読んでいる社員がいると、ショックで震えて泣くほどだったのに、今では、そんなエッチを平気で書くのだから、人間というものは変わるものである・・・・・。

大胆で恥じらいを忘れた私だが、この雑誌の名前は秘密にしたい。